峡陽文庫

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2008年 09月 28日

牛乳

 横浜でオランダ人スネルに雇われて乳牛の飼育と搾乳を行っていた前田留吉が、慶応2年に独立して6頭の乳牛を買い、牛乳の販売を始めたことが牛乳店の始まりのようです。
 初期の牛乳は、ブリキ缶の輸送缶で5勺ずつ量り売りを行っていたようですが、明治10年頃から小ぶりのブリキ缶に入れて配達されていました。明治21年頃にガラスの牛乳瓶が使用され始め、明治38年頃には殆んどガラス瓶に代わっていったようです。

 山梨県における牛乳販売の嚆矢については確認していませんが、明治の頃から県内各地に牛乳を搾乳して販売する事業者がいました。主な事業者を見てみると…
 ○ 精乳舎(甲府市愛宕町162番地)   
   明治18年8月に甲府桜町で牛乳の搾乳を始めましたが、牛舎狭隘の
  ため、明治19年4月に甲府花園町の農産社の土地を購入し移転しまし
  た。その後、中央本線の甲府停車場開設に伴い、花園町から明治34年
  4月に愛宕町に移転したようです。
 ○ 回春舎(西山梨郡住吉村下小河原)   
   明治39年10月から始めたようです。
 ○ 永生舎(西八代郡市川大門町)   
   明治28年から始めたようです。
 ○ 洋乳館(甲府市伊勢町2483番地)
    大正7年4月から始め、昭和2年1月には甲府市春日町にミルクプラン
   トを建設したようです。
 ○ 牧牛舎(甲府市東青沼50番地)  
 ○ 保壽舎(甲府市伊勢町2495番地)
   
    明治19年に荒川の千秋橋南方で牛乳の搾乳を始め、明治33年に伊
  勢町に移転したようです。

【牛乳の販売領収書です。】

-明治23年・保壽舎-
牛乳_f0191673_15504066.jpg


-大正8年・保壽舎-
牛乳_f0191673_15511248.jpg


by kaz794889 | 2008-09-28 16:03 | 史料 | Comments(2)
Commented by ひろ坊 at 2008-10-03 21:31 x
よくこれだけの牛乳資料を集めましたね。明治維新前から販売されていたんですね。徳川吉宗関係の本を読んでいたらインドから牛をとりよせ、馬の治療に牛乳を飲ませたと書いてあった。
Commented at 2013-07-24 12:32 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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