2014年 07月 13日
【旧御嶽郵便局庁舎】 御嶽郵便局は中巨摩郡宮本村(現在:甲府市)に明治13年6月1日に開局(初代局長・相原有譽)している。 昭和29年4月1日発行の「甲府郵便局ニュース」(第26号)によると「近年はここから金峰山、長野県に通ずるハイキングコースの要地として、又昇仙峡の一環をなす観光地として来客も多く利用者も増し、曲も発展の一途を辿っている。」「観光シーズンに入れば、御嶽の本社といわれる金桜神社の参拝客も増加し、何々講社、学生達の団体も多い日は二百名を超え、局の窓口も賑い、風景入スタンプでてんてこ舞いする日が多くなる。金峰山の登山客などが帰途、電報・電話を利用して自宅と連絡することも多くなって、局は忙しくなるばうりだ。」と当時の繁忙状況を記している。 また、御嶽郵便局は昇仙峡のある能泉村(のうせんむら)の奥、宮本村に位置する集配局であったことから、同局にとって最も苦労が多いのは集配業務であった。 前述の「甲府郵便局ニュース」によると「宮本村を中心に能泉、清川村の450戸を4名で配達しているが、いずれも山越え、尾根伝いで東方の塔ノ沢地区へは7kmの山道である。」「能三番で有名な上黒平、下黒平へは2里の上り坂で、積雪期はもちろんのこと、雪解けとか降雨の際などには崖崩れの危険を冒して配達するので、その苦労は大変なものである。」と局の区内状況を伝えている。 【旧御嶽郵便局庁舎 Ⅱ】 御嶽郵便局は昭和42年3月20日に南方側に新築移転している。また、近年は「昇仙峡郵便局」と局名を改称の上、甲府市猪狩町414番地に新築移転している。 旧御嶽郵便局庁舎周辺は、探勝や金桜神社への参詣者が多く、旅館や商店が軒を並べた金桜神社門前の山中の一町場をなしていたが、昭和30年12月18日に重要文化財中宮本殿、東宮本殿を含む13棟の社殿等の全焼、門前の旅館も現在は全て廃業するなど、当時の賑わいは失われている。 なお、御嶽郵便局は昭和7年10月21日からいわゆる「風景入日附印」を使用し、昭和9年11月16日に電話が開通している。 ブログをご覧いただきありがとうございます。峡陽文庫のブログ運営の励みとなります、ご覧の都度1日一回、左の『「山梨情報』をクリックいただけますようお願いいたします。
by kaz794889
| 2014-07-13 12:44
| 郵便局・逓信
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