2012年 01月 29日
「御崎町は寿館のある町よりも、もっと北に寄っていて文字通りの町はずれである。昭和十四年の一月早々、風の強い日に太宰は寿館から、この町の小さな借家に移った。」津島美知子著『回想の太宰治』(昭和53年5月20日・人文書院刊) 昭和14年1月8日に井伏鱒二夫妻の媒酌により東京杉並の井伏宅で挙式した太宰修と美知子(旧姓:石原美知子)は、甲府市御崎町56番地の間取りが八畳、三畳の二間、家賃が六円五十銭の借家で新生活を始め、三鷹に転居する同年9月1日まで甲府に居住していた。 新居は御崎神社や甲府中学(現在の山梨県立甲府第一高校)が面する道路の少し北側に位置しており、御崎町は甲府四十九連隊や甲府陸軍病院などがすぐ近くにある町であった。 【甲府煙草小売人組合 組合員名簿】 ![]() 「酒屋、煙草屋、豆腐屋、この三つの、彼に不可欠の店が近くに揃っていてお誂え向きだと、私の実家の人たちにひやかされたが、ほんとにその点便利よかった。」『回想の太宰治』 甲府煙草小売人組合の組合員名簿(昭和14年5月現在)によると、太宰治にとって必要不可欠な店の一つである御崎町の新居近くにあった煙草屋は、御崎町60番地(現在:甲府市朝日5-10-7)で原田親平が営業していた店である。 【御崎町の煙草店跡】 ![]() 御崎町60番地は写真左側の中料理店の場所であり、正面の道を80m程進んだ左型が御崎町の借家である。 また、右側の駐車場になっている場所で、昭和初期から47年頃まで分部豆腐店が営業していた。 ![]()
by kaz794889
| 2012-01-29 16:31
| 太宰治と甲府
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