2009年 05月 05日
【高原を行く ━小海線案内━】 昭和11年5月発行に発行された小海線の案内パンフレットである。 小海線は中央本線小淵沢駅を起点とし、しなの鉄道(旧信越本線)小諸駅を結ぶ78.9kmの路線であり、小淵沢、甲斐小泉、甲斐大泉、清里の各駅が山梨県内に所在する駅である。 八ヶ岳山麓開発のため大正4年8月8日に小諸駅~中込駅間13.4km、同年12月28日に中込駅~羽黒下駅間7.7km、同8年3月11日に羽黒下~小海駅間9.5kmが当時の佐久鉄道として開通し、昭和7年12月27日には小海駅~佐久海ノ口駅間8.9kmが鉄道省により小海線として開通した。 山梨県側は昭和8年7月27日に小淵沢駅~清里駅間17.5kmが鉄道省により建設され、この区間は小海南線、既に開通している小海・佐久海ノ口間は小海北線とされた。 昭和9年9月1日には佐久鉄道の路線が鉄道省に売却国有化され、小諸・小海間は小海北線に組み入れられ、その後、昭和10年11月29日の清里駅~佐久海ノ口駅間の開通により、小淵沢駅~小諸駅間が小海線として全通している。 この『小海線案内』には、「新宿を夜行で発てば黎明に汽車は小淵沢駅に着き、小海線の初列車の出発する頃には富士を始め南アルプスの雄峰から膨大なる八ヶ岳に至るまで、山の巨人群の額を薔薇色に染める曙の色美しさ、谷々を込める乳白色の雲の色、山岳豪華版に非ずして何ぞやと謂いたくなります」と、小海線について記されている。 【清里附近案内図】 【清里駅附近案内】 小海線の全通後に発行された清里駅附近の案内パンフレットである。 この中で清里駅について「海抜1274m、野辺山駅に次ぐ日本第二位の高きにある駅、赤嶽直下、美の森に近く附近一帯空気極めて清澄、紫外線強烈加附るに清冽なる渓流あるは、現在キャンプの盛に行はるる所以であるが、将来優秀なる別荘地として発展を約束されている。」と記されており、景勝地として美の森、赤嶽、飯盛山、千ヶ淵、枝垂栗、大躑躅などが紹介されている。 【赤嶽を遠景としたスキー風景を描いた昭和13年5月の清里駅記念スタンプ】 ブログをご覧いただきありがとうございます。峡陽文庫のブログ運営の励みとなります、ご覧の都度1日一回、左の『「山梨情報』をクリックいただけますようお願いいたします。
by kaz794889
| 2009-05-05 11:27
| 鉄道
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