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2011年 08月 22日

太宰治と甲府 1 【東洋館と新ハムレット】

【新築当時(昭和6年9月頃)の東洋館】
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 東洋館は春日通りに面した甲府市錦町18番地(現在の甲府市中央1-6-3)で営業していた温泉旅館であり、昭和6年の秋に写真の本館が新築落成している。
 太宰治は甲府市水門町の石原美知子と昭和14年1月に結婚し、甲府市御崎町56番地に新居を構え、同年9月に三鷹に転居している。
 太宰治は最初の書き下ろし長編小説である『新ハムレット』(昭和16年7月、文芸春秋社刊)の執筆を昭和16年2月から始め、静岡市三保の「三保松原の突端の、白い灯台の下の宿屋です。」と山岸外史あての葉書に記した、三保園で同月19日から月末まで執筆に取り組んでいたが、執筆の進捗が芳しくなかった気分一新のためか、4月5日に井伏鱒二と甲府に行った際、東洋館に滞在し「新ハムレット」の執筆を続け5月末に完成させている。
 なお、昭和16年4月9日の消印で、「甲府市錦町東洋館内」を住所として太宰治が山岸外史に宛てた葉書には「甲府では、どうも酒を飲む機会も多く、仕事が思ふやうに、はかどりません。甚だ心細く、淋しい気持であります。」と記している。

【昭和30年頃の甲府温泉郷略図】
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 昭和30年頃の甲府温泉郷の略図である。
 太宰治が東洋館に滞在していた昭和16年頃には営業していなかった旅館もあるが、市街地に所在する旅館の殆どは戦前期から営業している。
 東洋館は略図にある「⑪」の場所である。




【現在の東洋館跡①】
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 東洋館のあった場所の現在の様子である。
 黄色の看板の先が東洋館の位置であり、かつての敷地には居酒屋等が入居する「東洋館ビル」が現在は建てられている。

【現在の東洋館跡②】f0191673_2121845.jpg




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by kaz794889 | 2011-08-22 22:29 | 太宰治と甲府 | Comments(0)


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