2010年 02月 11日
【企画展における頒布資料】 平成22年1月30日付の山梨日日新聞においても報道された、平成22年白根地区文化祭の郷土研究部企画展『昭和の恐慌から地域を救った温室メロン』が去る2月6日、7日に南アルプス市の桃源文化会館において開催され、見学させていただいた。 展示の表題にもあるとおり、中巨摩郡西野村(現在の南アルプス市)を主とし、いわゆる西郡地区において昭和戦前期に栽培され、時代の経過とともに忘れられている、温室メロンに関する資料と調査を主題とした興味深い企画展示となっていた。 【年末年始 御贈答用果物栞】 甲府市桜町9番地、甲府銀座にあったフルーツパーラー、中村屋が発行した贈答用果物の案内である。 温室果物であるマスクメロンを始めとした贈答用高級果物が紹介されている。 【「甲斐の新印象 県産メロン」の案内広告】 山梨県下におけるメロンの栽培は、中巨摩郡西野村(現在:南アルプス市)の功刀七郎により、大正13年に30坪の加温温室において試作されたことが始まりとされている。 その後、商品として軌道に乗ってきた山梨県産のマスクメロンは、山梨県内よりも県外市場において高く評価され消費されていった。昭和12年頃の資料によると、西野村の240棟、8,000余坪を筆頭に豊村の90棟、3,700坪のほか、小笠原町、飯野村、百田村、御影村、源村、今諏訪村、南湖村(いずれも現在の南アルプス市)等における生産量が最も多く、これらの町村では温室メロンの出荷組合が設立され、統制のとれた出荷がなされていたようである。 昭和12年頃の山梨県産メロンは、その総生産量の内に東京市場に6割、関西方面の市場に4割が出回っており、最も遠い市場は広島県内まで移出されていた。 また、メロンの出荷時期は5月から12月までの8か月間であり、甲府市内の果物店からは県産贈答品として、北海道、樺太、満州国などまで送られていたようである。 こうした山梨県産のメロンは、当時、秋の収穫にかける葡萄に対し、春の甲斐を語るにふさわしい果物として「甲斐の新印象」とされていた。 ブログをご覧いただきありがとうございます。峡陽文庫のブログ運営の励みとなります、ご覧の都度1日一回、左の『「山梨情報』をクリックいただけますようお願いいたします。
by kaz794889
| 2010-02-11 19:35
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