峡陽文庫

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2009年 09月 20日

御坂国道バスと御坂峠と太宰治

【富嶽百景(新潮文庫)】
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 昭和13年9月13日、太宰治は井伏鱒二の勧めで当時の南都留郡河口村御坂峠の天下茶屋を訪れ、11月6日に甲府市水門町の石原美知子と婚約し甲府市堅町の下宿先である寿館に移るまで滞在し、『火の鳥』などの執筆を行った。
  また、天下茶屋におけるその頃の状況や生活については、雑誌「文体」に発表した『富嶽百景』の中で触れられている。
  「昭和十三年の初秋、思ひをあらたにする覚悟で、私は、かばんひとつさげて旅に出た。」太宰治は、御坂峠の天下茶屋に滞在したのである。


【御坂新道御案内】
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 「私は甲府市からバスにゆられて一時間。御坂峠にたどりつく」(富嶽百景)、「三浦君が甲府市からバスに乗って、もう雪の積っている御坂峠を越え下吉田町に着いた頃には日も暮れかけていた。」(律子と貞子)などに書かれているのが、甲府から御坂峠経由で富士吉田を結ぶ旧国道8号線を路線としていた御坂国道バスである。
 同社が発行したこのチラシには「富士は東に、みたけは西に、音頭とるのは御坂バス」との洒落口とともに、 三つ峠登山や御坂新道八景などが紹介されている。


【御坂国道バス時刻表】
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 御坂国道バスは旧国道8号線の道路改修工事の完成後、昭和9年に設立され、本社を甲府市八日町14番地に、吉田営業所を富士山麓電気鉄道の富士吉田駅前に設置していた。
  所要時間は、甲府から御坂峠頂上までが1時間10分、御坂峠頂上から吉田までが40分となっていた。
  なお、写真は甲府駅前にあった御坂国道バスののりばと、当時の車掌の様子である。



━御坂峠トンネルノ富士━
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 旧御坂トンネルの河口湖側から望む富士山である。
 なお、トンネルを出て左側が天下茶屋であるが、中央に写る東屋風の建物は現在建てられていない。
(東屋風の建物脇を右側に更に入ったところに、太宰治文学碑が建てられている。)

━御坂峠五曲坂━
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 甲府方面から御坂峠に向かう峠越えの道路である。
 この五曲坂(イマガリザカ)は御坂新道八景の一つであり、「地勢急峻のため道路雛壇の如く五段にて自動車の交錯する時など一種変わった眺めなり五曲坂と呼ぶ」と、紹介されている。

【「御坂八景」絵葉書のタトウ】
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 上記2枚の他に4枚、合計6枚をセットとした「御坂八景」絵葉書のタトウである。
 この絵葉書はタトウの下部に「御坂峠頂上天下一茶屋発行」とあるように、現在も峠に建つ天下茶屋が発行したものである。
 なお、絵葉書の裏面には記念スタンプが押されているが、その日付は天下茶屋に太宰治が滞在していた時期でもある、昭和13年11月3日となっている



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by kaz794889 | 2009-09-20 15:53 | Comments(1)
Commented at 2013-11-13 10:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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