2009年 06月 28日

私立山梨県衛生会主催 衛生品展覧会

 大正2年10月28日から11月5日まで、衛生思想を普及・発達させることを目的とした衛生展覧会が私立山梨県衛生会の主催により開催された。
 当初の開催期間は11月3日までの7日間を予定していたが、参観の会期延長を望む声から2日延長し11月5日まで開催したものである。

【衛生品展覧会案内】
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 近代医学が発展し治療も整備されていったが、当時の社会における一般の人々の保健衛生に関する知識は、今だ十分とは言い難い状態であり、迷信にとらわれたり、伝染害毒の存在を知らず重患に陥るなど社会・公衆における問題となる事態が往々として存在するなどしており、保健衛生における知識の浸透と、それを以っての予防策は重要課題に位置付けられ、山梨県内の主要町村において家庭衛生講習会が催されるとともに、衛生品展覧会が開催された。 




【衛生展覧会場・本館及庭前噴水之図】
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 衛生展覧会は大正2年6月に甲府市深町(現在の甲府市立図書館及び甲府市教育研修所の場所)に新築移転した旧工(たくみ)学校(明治40年4月に琢美小学校と改称)の校舎(現在:甲府市城東一丁目15及び16番地附近)全部を仮用し午前九時から午後四時までを観覧時間として開催された。
 写真の噴水は、本館(いわゆる藤村式建築である工学校校舎を使用)と会場正門の間に開催期間中に設置されたものであり「大に風趣を添へたり」と伝えられている。
【現在の会場跡】
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 衛生展覧会が開催された旧工学校跡の現在の様子である。
 なお、旧工学校の校舎は大正6年4月28日に徒弟学校令により創設された市立甲府工芸学校(現在の甲府工業高校の前身)としても使われていた。

━衛生品展覧会記念絵葉書 本館・正門━
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 会場の正門には大緑門を設け衛生展覧会の扁額を掲げ国旗を交差させていた。

━衛生品展覧会記念絵葉書 保健部の内一室・陳列室の一部及裏門━
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 旧工学校は甲州街道に面して正門が設置され、裏門は山田町通りの甲斐奈神社に面した附近に設置されていた。

━衛生品展覧会記念絵葉書 売店━
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 売店は会場内の5か所に設けられ、衛生に関係する物品が主に販売されていた。

【衛生品展覧会場平面図】f0191673_16533994.jpg


 展覧会は保健、墓地及び火葬場、防疫、地方病、生理及び解剖病理、皮膚病及び花柳病、薬品、参考品の8部門を核とした各部門単位による陳列が行われていた。

【私立山梨県衛生会主催 衛生展覧会開解疏】f0191673_1656165.jpg
 大正3年11月15日に私立山梨県衛生会が衛生展覧会総括のために発行した『衛生展覧会開解疏』である。
 10月28日から11月5日までの期間中における観覧者は103,690人に達し、予想以上の盛況を呈していたようである。
 また、期間中の余興として甲府市三日町の巴座において、衛生展覧会関係者の起稿による衛生演劇「いのち」が演じられこれも盛況を呈していた。




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by kaz794889 | 2009-06-28 19:23 | 博覧会 | Comments(0)


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